背景

日本国内の道路やトンネル、鉄道といった社会インフラの多くは高度経済成長期に集中的に整備されており、今後は急速な老朽化が懸念され、その維持管理は大きな課題となっています。インフラ点検は近接目視が基本とされていますが、全国各地の点検作業を行うことの負担はきわめて大きく、また人口減少に伴う点検技術者の不足により近接点検を巡回的に実施することが難しいという現状があります。近接目視に置き換わる技術の導入が急がれています。

「GT-8K」の完成

2020年6月3日、朝日航洋株式会社とアストロデザインは、道路・鉄道・空港などの各インフラ分野におけるメンテナンス性能の高度化と効率化のため、8K映像技術を搭載した新型計測車両「GT-8K」を共同開発しました。「GT-8K」は、朝日航洋が長年培ってきた移動計測車両による計測技術とアストロデザインが得意とする超高精細の8K映像技術を融合させた世界で初めてのMMS(モービルマッピングシステム)です。


計測車両GT-8K                             トンネル計測の模様

本技術は、計測車両を一般車両と同じように法定速度で走行計測して、8K画像1枚ごとに時間と位置、撮影方向を与えることで、トンネル内を正確・高速・定量的にデジタルデータとして記録します。また、8Kエリアセンサカメラ映像力の再現力により、撮影対象物の立体感や奥行きを感じさせる目視感覚に近いデータを管理者や点検員に提供可能です。


トンネル変状展開図

8Kカメラ活用のメリット

点検に使用している8Kカメラ(AB-4815)は、高品位の画像出力となるように設計されており、計測において効果を発揮します。高い解像能力により、0.1mmオーダーのひび割れを識別できる他に、被写体の質感や立体感をカラー画像で再現することができます。そのため、画像検査であっても目視に近い感覚で点検ができ、これまでの点検員のノウハウを活用することができます。

撮影時はカメラのシャッター速度を上げており、移動している車体からであってもブレのない映像を取得することができます。さらに、車体の振動や揺れによる影響も受けづらくなっています。動画撮影による連続映像を扱うことで、構造物などの陰を画像間で補完したり、複数枚の画像から問題箇所を検証したり、より検査の精度を高めることが可能となっています。

GT-8Kに搭載した8Kカメラ AB-4815

今後の展開

8K技術は、インフラメンテナンスの様々な場面で有効活用できる可能性があります。
私たちは、社会的要請の高い喫緊の課題をターゲットに技術開発とその社会実装を進めていきます。

お問い合わせ

〒145-0066 東京都大田区南雪谷1-5-2
アストロデザイン株式会社
事業本部(営業)
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TEL:03-5734-6301

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