背景

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、社会活動において「三密」(密集、密接、密閉)を避けることが強く求められています。
今回はスタッフの数を最小限に絞りながら、オーケストラコンサートの撮影と配信を行った事例を紹介します。

愛と戦闘のバレンタイン

2021年2月14日、新日本フィルハーモニー交響楽団 特別演奏会「愛と戦闘のバレンタイン~ふたりに贈るシンフォニー~」がすみだトリフォニーホールにて開催されました。このコンサートは文化庁「文化芸術収益力強化事業」の採択を受けたヤマハ株式会社様が企画したもので、「多視点切り替え+ハイレゾ生配信」をコンセプトとしてオンライン生配信が実施されました。アストロデザインは株式会社コルグ様、株式会社インターネットイニシアティブ様、株式会社ねこじゃらし様と協力し、コンサートの撮影、配信における新たな試みを提案しました。

8Kカメラによる撮影の省人化

会場では撮影にかかわるスタッフを可能な限り少なくしました。客席側からステージ全体を映す定点8Kカメラを1台、舞台側に指揮者の撮影用として4Kカメラ1台を設置。2台のカメラを編集ブースよりリモートで制御しました。

正面から撮影した8Kカメラの映像は、Tamazone Workstation を使ってHDに切り出します。ズームによる映像の劣化も無く、リアルタイムに美しい映像を取り出すことができます。ステージ俯瞰、切り出し3か所、指揮者用HDカメラの計5視点をスイッチャで切り替え、計4視点を送出しました。観客席にカメラマンが滞在することなく、最低1名のスタッフで運用が可能な仕組みです。

高いクオリティで映像と音声を配信

映像配信は株式会社ねこじゃらし様の配信技術「Lumière(ルミエール)」を使用。切り出したHD映像を4画面合成して4K映像として配信し、視聴者はPC、タブレット、スマートフォン等の手元の視聴デバイスで好きな視点を選びながら見ることができました。固定の視点ではなく視聴者の嗜好に沿った映像を自由に選択したいというニーズは、今後も加速していくと考えられます。
音声は株式会社コルグ様の「Live Extreme」を使用。非圧縮形式の音声コーディング技術により、多楽器編成の複雑な音色を原音に近いクオリティで配信しました。

配信を視聴した方からは

「ふだん客席からは見られない、演奏者の表情がぼやけずにはっきり見えて新鮮に感じました」
「選んだ映像を好きな時間だけ楽しめて、画面を切り替えても遅延のストレスがありませんでした」

との感想が寄せられました。

アストロデザインはこれからも8K技術を活用し、豊かな芸術体験のための技術的サポートを積極的に行ってまいります。

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