背景

2020年、パンデミックにより人の集まるイベントは軒並み中止や無観客、あるいは席数を大幅に減らしての開催に追い込まれました。今回は、8K高精細技術によってオーケストラの新しい鑑賞体験を実現した取り組みをご紹介します。

《__する音楽会》

「落合陽一×日本フィルプロジェクト」は「テクノロジーによってオーケストラを再構築する」というテーマのもと、2018年から過去4回にわたって音楽会を開催。聴覚障害のある方も一緒に音楽を感じて楽しめる「耳で聴かない音楽会」などを通して、オーケストラの新たな魅力と価値を広げてきました。2020年はコロナ禍におけるオーケストラのあり方を模索し、劇場開催と同時にオンライン配信を実施。公演名の 《__する音楽会》 には、当初計画していた音楽会が新型コロナウイルスによって白紙となった様子と、そこから新しい演奏会を模索する「試行錯誤」への覚悟が込められています。
アストロデザインは本公演にて8Kプロジェクターや8Kカムコーダー、Workstation“Tamazone”などの機材協力を行いました。

リアルタイムCG映像の投影

オーケストラの方々の演奏する背景映像として、高精細映像を使用した演出を行いました。CG映像はアストロデザインが開発したワークステーション “Tamazone” からリアルタイム生成し、8Kプロジェクター INSIGHT Laser 37000 8Kにて500インチスクリーンに投影を行いました。

8Kカムコーダーによる撮影

8Kカムコーダー3台を使用し、8Kアーカイブとして撮影。うち2台はアーカイブ撮影と並行して8Kクロスコンバータ SC-8229によりHDにダウンコンバート、カラーグレーディングしてリアルタイム配信を行いました。撮影されたコンテンツは公演終了後、映像編集を行い、USBに格納してクラウドファンディングの協力者に配布されました。

《双生する音楽会》

音楽会の最後に、この公演が 《双生する音楽会》 であることが明かされます。単なる代替手段ではない、オンラインでしかできない新しい鑑賞体験。客席鑑賞とオンライン鑑賞を異なる演出で体験する、リアルとオンラインの双生する世界が提示されました。

オンラインで視聴した方からは
「曲とCGの調和がすばらしく、特に後半の曲のCGとピッタリ合った映像でした。音楽と、アートが融合したタイトル通りの新しい演出だと思いました」
「CG演出や、世界の奏者との演奏が良かったので会場に行けなくても楽しむことができました」
との感想が寄せられました。

アストロデザインはこれからも8K技術による新たな映像と音楽の体験を追求し、芸術分野の振興に貢献していきます。

このページのTOPへ