ASTRO JOURNAL vol.160
NHK技研公開2026レポート vol.3 Web版
アストロデザイン メールマガジン読者の皆様、
アストロデザイン 企画・マーケティング戦略部門の古瀬(ふるせ)です。
いつもメルマガをご愛読いただき、ありがとうございます。
5/28(木)~31(日) の日程で、今年もNHK技研公開2026が始まりました。
今回は、NHK技研公開レポートの3回目です。【NHKでこんなこともやってるの! Part.2】として、私が個人的に気になった展示をお送りします。何らかの形で、みなさまのお役に立てれば幸いです。

NHK 技研公開ホームページ
https://www.nhk.or.jp/strl/open2026/index.html
NHK TECH EXPO ホームページ
https://www.nhk.or.jp/techexpo/index.html
今さらながらですが。今年のNHK技研公開のテーマは、“技研公開2026「拓く、支える、これからも」”というものだそうで、この言葉に込められた意図は、「次の100年に向けてメディアの発展を切り拓き、進化を支え続け、安心と信頼を届ける技術の力を伝えること」とのこと。
テーマに込められた3つの意図は、下記の想いだそうです。
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拓く(ひらく): 最新のテクノロジーを活用して、未来の放送メディアの新しい可能性や発展を切り拓く。 |
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支える: 現行の放送メディアや日々の放送現場、さらには社会の安心・信頼を確かな技術力で支え続ける。 |
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これからも: 放送100年を越えた次の100年も、変わらぬ役割を果たしていくという決意を示す。 |
このテーマのもと、今回はNHK技研が掲げる未来ビジョン『Future Vision 2030 – 2040』に基づいて、以下の3つの重点領域を中心とした研究成果が公開されています。
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イマーシブメディア: 没入感や実物感のある、次世代の映像・音響体験を創り出す研究 |
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ユニバーサルサービス: 誰もがいつでも、どこでも安心して情報を得られる仕組みを構築する研究 |
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フロンティアサイエンス: これまでにない新しい放送技術の基盤となる、基礎・先端科学の研究 |
いろんな方の、いろんなご見解がある事は重々承知の上、私はやはり「ユニバーサルサービス」と「フロンティアサイエンス」に注目します。
前回の「映像技術に対する光技術の研究」は、まさに「フロンティアサイエンス」そのものでした。
そしてもう一つの注目は、「ユニバーサルサービス」。これって、NHKとしての一丁目一番地ですよね。 障害のある方/ハンディキャップのある方へのリアルタイム手話翻訳も、正しい日本語を支えるための音声認識も、「NHKならでは」の放送技術開発だと思います。(個人の感想)
A)展示番号5 AIを活用した手話CGコンテンツの拡充(ユニバーサルサービス)
NHKさんの手話CG技術って、確か10年以上の歴史があるはずです。NHKさんのグループでは、NHK技研さん以外でも、NHKエンタープライズ(NEP)さんの手話CG(デジタルヒューマンKIKI)とか、いろんなところで研究開発していらっしゃいます。特にNEPさんのKIKIは、昨年の東京デフリンピックでも公式アンバサダーになったり、いろんな自治体の手話言語条例のイメージキャラクターになったりと、大活躍。NEPのKIKIさん、さすが映像制作大手の出身だけあって、ビジュも◎。
その分野では大活躍しています。KIKIさんに会いたい方はこのURLから↓
https://sdgs.nhk-ep.co.jp/program/kiki/
ひるがえって、今回の話題はNHK技研の手話CG。
AIを駆使して「音声から手話CGのダイレクト翻訳」というチャレンジを行っています。そして「手話映像から、手話CGへの自動生成」とかも。
NHK技研の手話CGの何が凄いって、「音声からテキストへの変換を飛ばして、手話CGをダイレクト生成」ってところだと思います。音声の翻訳のとき、中間ファイルとしてのテキスト翻訳で「抑揚や強弱という感情」が抑えられてしまう、それを手話にダイレクトに、という事らしいんですよ。手話CGを「単なる言葉の手話への翻訳」から、「感情やニュアンスを伝える」ところまで昇華させようとしています。
技術的にも大きなチャレンジだと思いますが、「障害のある方/ハンディキャップのある方へも、情報を正確に届けたい」という研究員の方々のモチベーション、これには本当に頭が下がります。(個人の意見です)
そしてこういう展示を、入り口入ってすぐの「展示番号5」に展示するところに、NHK技研の“心意気”を感じました。



B)展示番号3 コンテンツの信頼性を高める来歴情報技術…
この展示ですが、展示の説明、というか、表示の言葉が難しいので、一目で見ると「何言ってるか分からない」のがもったいない。。
これは平たく言うと「フェイクニュースを流さない技術」の一つなんですよね。 来歴情報って言ってますけど、ここを平たく言うと「どこで撮った映像なのか、その来歴を記録して運用する技術」との理解です。
最近は生成AIの発達で、「災害時に動物園からライオンが逃げ出した映像」とか、「大雨で洪水が起こった映像」とか、フェイク映像がSNSで拡散される事ってありますよね。 その映像が「偽情報」「誤情報」なのか、それとも「信頼できる情報」なのか、それを担保する仕組みの「映像制作のワークフローの展示」です。
技術としては、C2PA(Coalition for Content Provenance and Authenticity)というメタデータのようなものを使って、「本物の写真なのか」「AIが生成したものなのか」「改ざんされていないか」を客観的に検証する仕組みを、映像制作の現場に組み込む、という仕組みの展示です。
C2PAとか映像に情報を付加すると、「生のデータよりもハンドリングが悪くなる」として、制作の現場からは疎まれるケースも多いですけど、NHK技研さんがC2PAのようなものをドライブしてくれると実際の普及も早いかも、です。
フェイクニュースを少なくするためにも、ぜひ早期の普及を期待します!



【まとめ】
今回は、「ユニバーサルサービス」と「情報の信頼性」を支えるNHK技研の取り組みをレポートしました。
今回ご紹介した「誰もが情報にアクセスできる技術」や「信頼できる情報を届ける技術」を研究しているNHK技研っていうのも、一般の方々にはあまり知られていないのではないでしょうか?
でも、これらの技術が実現して社会実装されると、日本の産業と文化、そして私たちの生活を豊かにしてくれる一助になると思います。
(せっかくの技研公開、番組作って紹介すれば良いのに。。~個人の意見)
次回は、【NHKでこんなこともやってるの! Part.3】として、そのほかのNHK技研と、放送局の現場の展示(TECH EXPO)をまとめてご紹介したいと思います。
乱筆乱文はご容赦ください。
2026年6月3日 古瀬(ふるせ)
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Mail : furuse-hiroyasu@astrodesign.co.jp
古瀬/アストロデザイン(株) 企画・マーケティング戦略部門 管掌 執行役員
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