ASTRO JOURNAL vol.159
NHK技研公開2026レポート vol.2 Web版
アストロデザイン メールマガジン読者の皆様、
アストロデザイン 企画・マーケティング戦略部門の古瀬(ふるせ)です。
いつもメルマガをご愛読いただき、ありがとうございます。
5/28(木)~31(日)の日程で、今年もNHK技研公開2026が始まりました。昨日に引き続き、今年の技研公開の見どころの速報を。今回は「映像技術の研究機関としてのNHK技研」と題してお送りいたします。何らかの形で、みなさまのお役に立てればと思います。

NHK 技研公開ホームページ
https://www.nhk.or.jp/strl/open2026/index.html
NHK TECH EXPO ホームページ
https://www.nhk.or.jp/techexpo/index.html
【今年の見どころ:その2】
NHK放送技術研究所さん(以下、NHK技研さん)は、映像と通信の研究では、NTTさんの研究所と並んで「日本のトップランナー」、ひいては「世界のトップランナー」です。 特にNHK技研さんは、「日本唯一の放送技術分野を専門とする研究機関」であり、1930年に開所した「100年近い歴史ある」研究機関でもあります。大学ともメーカとも異なり、「公共放送として将来の社会に必要になる放送・メディア技術を、長期視点で研究する組織」と位置付けられていますが、まさに「放送技術の未来を社会インフラとして考える研究所」を担っていらっしゃいます。
毎年の技研公開では、その研究成果を「一般の方々にも楽しくわかりやすく」、「業界のエンジニアや研究者には将来の映像技術への示唆を与え」、「映像業界には将来の飯の種を提示する」という役割を担っている事を実感しています。(古瀬個人の見解)
で今回は、「映像技術に関わるDeep Tech(ディープテック)」についてレポートします。 字数が限られていますので、表面的になってしまう事はあらかじめご容赦ください。
A)展示番号16 フルカラー透明ホログラム
とうとう出ました。「フルカラー透明ホログラム」が。ちゃんと奥行きまで3Dに見えるんです。iPhoneのカメラでの撮影ですが、「カラーであること」「奥行きがあること」は感じていただけると思います。
ホログラムというと、まずは「スターウォーズ EP4」の冒頭で出てくる「立体映像」を思い浮かべる方も多いかと思います。R2D2がレイア姫の「助けて オビ=ワン・ケノービ」というメッセージを立体映像として映し出したアレですね。空中に3D立体映像(画像)を投影する(見えるようにする)技術ですね。
ホログラムって、光の波の性質を使って再生する「立体画像」ですので、撮影技術の難易度も高いんです。(後述 展示番号7)せっかくなので、参加者視点では、「見た目には分かり易いけど難しい技術」ですので、「関係展示は並べて展示したほうが良い」感じもしたのですが。。例えば「ホログラフィー撮影技術」→「ホログラム表示技術」→「これらを支える要素技術(メタレンズ技術)」、って感じで。
でも、「フルカラーのホログラム、しかも透明」って事で、また一歩、スターウォーズの世界に近づきました。未来が垣間見える展示です。
さらに、「2030年頃にフルカラー・ホログラムの動画を実現したい」って、パネルに書いてあったのを見逃しませんでしたよ!さあ、あと4~5年で実現出来るのでしょうか?NHK技研が「動画」というのですから、パラパラ漫画ではなく、「動画」ですよね!首を長~くして待ちましょう!



B)展示番号7 自然光下でのカラーホログラフィー撮影技術…
前述の展示番号16の「フルカラー透明ホログラム」と合わせて、今年の目玉の一つだと思います。研究所としては「フロンティアサイエンス」という位置づけらしいのですが、「ホログラムもここまで来たか!」と思わせる迫力がありました。
技術的には、「光の波の干渉と回折を利用して、対象物の完全な立体像(ホログラム)を記録・再生する技術」ですので、一言で言って「難しい」んです。映像の記録にも、映像の再生にも「レーザー光」を使うので、装置も、環境もプチ大掛かりになりますし。
光学ホログラフィーって、科学雑誌に出てくる「光は波である」という現象を使って、その波の干渉を使って映像を記録する、という技法なんです。なので、「撮影される物体を照らす元の光(参照光)」と、「物体に当たる光(物体光)」の両方を使って干渉縞を記録するという「きわめて複雑な事」をしています。
そんなことをしながら、「自然光下でのカラーホログラフィー」ってお題で、RGBの3色の記録を、自然光という「雑光(≒外乱)」の下で撮影するって。。
現在は未だ「静止画の撮影」って感じですけど、これを上手く「動画≒連続静止画」に出来たら、それこそ「スターウォーズを超えた!」って事になるかも、です。
ちなみに、「カラーホログラフィー撮影技術」とか言いながら、その脇には光変調用のデバイス(材料)の展示も行われていました。
具体的には「メタレンズ」とか「ナノ構造フィルム偏光子」ってやつなんですけど、これらが出来ると何が嬉しいかって「超薄型のレンズとか、3Dのディスプレイが設計できる」ってデバイスなんですよね。いわゆる「光学技術の最先端」です。
ここって、NHK技研が、世界をリードする「映像技術の研究所」たる所以だと思います。(個人の意見)光学技術って説明が難しいんですけど、NHK技研の発表って、他の研究所よりも「研究開発の目的(ゴール)がはっきりしている」ので、見てて本当に面白いです。展示方法も良い意味での「テレビ屋さん」ですので、ホントに分かり易いですし、ロードマップもはっきりしていますし。
→そのぶん、成果を期待されている研究員の方々のプレッシャーも大きいと思いますけど。




【まとめ】
今回は「映像技術の研究機関としてのNHK技研」としてレポートです。
特に「未来の映像を支える光の技術を研究しているNHK技研」って、一般の方々にはあまり知られていないのではないでしょうか?でも、これらの研究開発が実現すると、日本の産業にも大きなインパクトが期待できる技術ばかりです。ですので、今回はアストロデザインの仕事には直接関係ないのですが、こういう機会を使ってご紹介出来ればと思い、まとめてみました。
次回は、「NHKでこんなこともやってるの!Part.2」として、そのほかのNHK技研と、放送局の現場の展示(TECH EXPO)をまとめてご紹介したいと思います。
当日の「書いて出し」なので、乱筆乱文はご容赦ください。また、本メルマガでご紹介している技術の理解に誤解がございましたら、私まで直接ご指摘を頂ければ幸いです。
2026年5月28日 古瀬(ふるせ)
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Mail : furuse-hiroyasu@astrodesign.co.jp
古瀬/アストロデザイン(株) 企画・マーケティング戦略部門 管掌 執行役員
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