ASTRO JOURNAL vol.156-2
NAB2026特別編 第3号(展示会2日目&スポーツサミット編~後編)Web版
アストロデザイン メールマガジン読者の皆様、
アストロデザイン 企画・マーケティング戦略部門の古瀬(ふるせ)です。
いつもメルマガをご愛読いただき、ありがとうございます。
昨日4月19日(日)から米国ラスベガスで開催された放送機器展「NAB Show(以下NAB)」の展示会が始まりました。今年はアストロデザインのメルマガの読者の皆様に、NAB会場からのレポートをお届けいたします。展示会初日、まず何らかの形で映像に携わる皆様のビジネスに貢献できるレポートを目指したいと思います。(最後にLinkedInのURLを記載しておきます)

~ 前編より続く ~
【みんな大好き新製品情報】
本日は、展示会のフロアもレポートしたいと思います。日本企業では、ソニー、パナソニック、キヤノン、ニコン、放映、リーダー電子さんなどを訪問して参りました。海外の企業では、Evertz、EVS、Blackmagic Design、Ross Video、 DJI、BOSMA、Insta360、GoPro、ほかにも細かいいろいろなところを訪問したのですが、それはまた別の機会にご報告したいと思います。
まず今日は、「NAB2026という展示会から見えてきた全体の傾向」についてレポートします。
全体の傾向としては、まず今日は、4つの括りでまとめてみました。
1.米国ではIP化の議論は既に終了し、すでにIP化(ST2110)は前提となっていた。
| A) |
IP-SDIゲートウェイ: SDIをIPネットワークにつなぐための、ST2110-SDIの高密度ルーター/ゲートウェイ製品が各社からリリースされています。特にEvertzは、超高密度実装のIP(ST-2110)-SDIコアルーター新製品を発表、加えて高密度実装に対応する「水冷ラックシステム」も発表されていました。こうなると、HPC(High Performance Computing、スパコン)の技術まで使っているんですね。19インチラック内に「オンプレ用のAIプロセッサであるNVIDIAのH200」があるのですから、これから水冷化は必然かも、ですね。 |
| B) |
JPEG-XSの拡大: IPネットワークのST2110に、低遅延で大量のデータを通すため、各社のJPEG-XSサポートが拡大しています。Evertz, AJA, EVSその他「SDIを入れてIPに出すGWを扱っている企業」はほぼ全部が実装済みの様子。さらに、SRTをけん引してきたHaivisionも新製品でST2110-20のJPEG-XSへの対応予定との事) |
| C) |
ネットワークモニタリング: 施設内(局やスタジアム)と、クラウド(リモートプロダクション)をつなぐ回線品質・監視が重要視されている(TAG等のモニタリング専業企業のみならず、EVS、Evertz、Ross Video、Blackmagic Designなどのクラウド編集機能を提供する各社がIPマルチビュー機能を提供。もしかするとAWSの実装を活用?) |
2.米国では、すでにクラウドを使ったリモートプロダクションが前提、クラウドとの接続の効率化が各社の訴求の中心へ
| A) |
ハイブリッド: 各企業、クラウドソリューションとのシームレス接続を訴求しており、場合によっては機材がクラウドの端末化しています。むしろ、そのソリューションが「オンプレなのか?」、「クラウド連携なのか?」、「ハイブリッドなのか?」は、重要な論点では無い印象です。「そのソリューションのための最適な方法を選択」という、極めて当たり前の判断になっています。ユーザーが意識しないで済むソリューションに進化している、と言えるかもしれません。 |
| B) |
モニタリング統合: 提供されるシステムのオンプレ/クラウドのハイブリッド視点でも、「回線の品質」と「低遅延性」は重要。前記のように、ソリューションそのものにモニタリングの仕組みが連携出来るような商品展開になっていました。(Ross Video、EVSなど) |
| C) |
AIの汎用化: AIにおいて、インフラとしてのクラウドAI、高速処理対応のエッジAIソリューションの分業化が進んでいる(ここは各社のフィロソフィー次第で大きく変わっています) |
3.米国では、AIが作業の効率化に使われる議論よりも先の、顧客価値向上(ファンエンゲージメント)が注目点
| A) |
訴求点はファンエンゲージメントへ: クラウド+AI連携により、本線系のライブ・クラウドプロダクションと共に、リアルタイムにパーソナライズされた情報(映像含む)をAIでパーソナライズし、Web経由でファンエンゲージメント用のコンテンツを提供できる仕組みを提供している企業が多数。(Ross Video、その他多数。ベースとなるクラウド+AIであるAWSが提供しているため) |
| B) |
アプリAIとの連携: ユーザー用のアプリにAIを搭載する事で、リアルタイム・エッジAIをファンエンゲージメントサービスとして提供(ここはカスタマイズ前提。この機能は多数のAIエージェント開発企業が提供) |
4.米国では、すでにローカル5Gも普及段階
| A) |
ライブエンタメではベライゾンが目立ってる様子: 米国でローカル5Gは、すでにPOCを超えて、実用化段階に入っています。NHLの25チーム全てのチームのスケートリンクや、フットボール場などへ、ベライゾンが主導して導入を進めています。(前回号で詳細を記載) そのほか、インディ500レースで有名なインディアナポリス・サーキットなどでも、ベライゾンの回線を使ったローカル5Gが活用されています。「IMSプロダクションズ」が、スタート/ゴールのワイヤレスカメラ、オンボードカメラ、そしてドライバーのヘルメットのカメラに5Gカメラ/ローカル5Gカメラを装着し、すでにリアルタイムのライブ中継(NBCやFOXスポーツ)を行っているそうです。 |
| B) |
米国大手キャリアT-Mobileもローカル5Gソリューションを提示: また、T-Mobileのブースでは、ローカル5Gと32台のiPhoneを使ったボリュームキャプチャシステムが展示されていました。キャプチャシステムと、3Dガウシアン・スプラッティングを使ったボリュームレンダリングは、それぞれ別企業が行っていますが、リアルタイムに多数のデバイスから大容量データを混線なく無線で送るという点において、ローカル5Gは極めて合理性・蓋然性が高いソリューションです。 |
今回のレポートは、「スポーツサミット」と、「NAB2026の傾向」についてまとめてみました。 個別企業のレポートは、私が書くといろいろ差しさわりがあるかもしれませんので、各社リリースをご覧頂くのが良いかと。。(私自身「欲しい」と思ったものもありましたので、明日以降、差しさわりの無い範囲でレポートいたします。)
出張先からの「書いて出し」なので、乱筆乱文はご容赦ください。
明日も、ネタを絞ってレポートをお送りします!(予定)
2026年4月21日 古瀬(ふるせ)
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このNAB Showレポートに、ご意見・ご質問のある方は、古瀬まで直接ご連絡ください。
Mail : furuse-hiroyasu@astrodesign.co.jp
古瀬/アストロデザイン(株) 企画・マーケティング戦略部門 管掌 執行役員
LinkedIn : www.linkedin.com/in/hiroyasu-furuse-32925135