ASTRO JOURNAL vol.156-1
NAB2026特別編 第3号(展示会2日目&スポーツサミット編~前編)Web版

 

アストロデザイン メールマガジン読者の皆様、

アストロデザイン 企画・マーケティング戦略部門の古瀬(ふるせ)です。

いつもメルマガをご愛読いただき、ありがとうございます。

昨日4月19日(日)から米国ラスベガスで開催された放送機器展「NAB Show(以下NAB)」の展示会が始まりました。今年はアストロデザインのメルマガの読者の皆様に、NAB会場からのレポートをお届けいたします。展示会初日、まず何らかの形で映像に携わる皆様のビジネスに貢献できるレポートを目指したいと思います。(最後にLinkedInのURLを記載しておきます)

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【Sports Summit:その②】

 

A)

NHL:北米プロアイスホッケーリーグにおけるローカル5Gの採用について
※日本ではローカル5Gと呼称しますが、米国では「プライベート5G」と呼称しています。

今日は、ローカル5GがNHL(National Hockey League:北米プロアイスホッケーリーグ)のトランスフォーメーションにいかに貢献しているかを語る「The Rink Reimagined: How Verizon’s Private 5G is Driving the NHL’s Transformation」に参加してまいりました。 ベライゾンのBrian Gorney氏と、NHLの技術責任者のGrant Nodine氏の対談でした。

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Private 5GがNHLのアリーナ(リンク)の基盤としてどう効いているかを扱うセッションです。スポーツ映像制作では、通信が裏方ではなく本番品質と、試合そのものを左右する要素になっていることが強調されていました。 NHLには、米国の通信事業者ベライゾンがパートナーとして通信の基盤を提供しています。

NHLにおけるベライゾンのプライベート5G活用は、単なる「会場の高速通信」ではなく、試合運営、審判支援、ベンチ映像、放送ワークフロー、ファン体験、将来のリーグ横断R&D を支える基盤として使われているそうです。今回のディスカッションでは、スタッフ向けの映像・音声運用高度化次世代ファン体験の2本柱が説明されました。 具体例として、リアルタイムにチームのコーチがビデオにタブレットでアクセス出来たり、審判を含むオフィシャル向けの通信インフラの強化、さらにゴールやネットに設置された無線接続カメラを使った放送イノベーションが語られました。従来のWi-Fiでは接続品質と容量の点で、ローカル5Gのようなたくさんの映像を使ったNHLのイノベーションには不足だったとの事。NHL所属の32チームのうち、米国内の25チームには全てベライゾンのローカル5Gが導入されているそうです。(残りの7チームはカナダのチーム)

NHLのアイスホッケーリンクのような閉空間でローカル5Gを使う事で、無線接続されたカメラを多数いろいろな所に配置し、NHLのチーム、審判、そして視聴者(ファン)に様々な映像をリアルタイムで提供する事で、試合そのものの価値が変わってきている、という内容。試合の品質向上(ビデオ判定/リプレイ判定支援の採用)と共に、ファンに対する価値提供の向上(ファンに届ける映像情報をパーソナライズ)する事で、ファンエンゲージメントを向上させるという文脈で説明されました。昨日も書きましたが、ファンエンゲージメント向上(≒顧客価値向上)は、提供側の収入増(お金)に直結しますので、ローカル5Gでリアルタイム接続される無線カメラの台数を増やす事には、投資の合理性がありますね。

確かに、昨日のNFLの49ersのリニューアルしたスタジアムの話でも、通信インフラとして5Gとローカル5Gのインフラを大々的に導入し、ファンエンゲージメントを向上させたという話がありましたので、おそらく米国ではどんどんスタジアム・アリーナの基盤インフラとして、ローカル5Gの導入が進んでいるようです。日本でのローカル5Gは、まだPOCレベルのものが多いですが、ことプロスポーツに関しては、日米で動いているお金のレベルが桁違い。でも、ローカル5Gに限らず、米国の新技術と、それを活用したファンエンゲージメント(顧客価値向上)への俊敏性が現在のプロスポーツの大市場を作っているのも事実だと思います。日本でも早く手掛けるべき内容ではないでしょうか。

 

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アストロデザインでも、今年新型のローカル5G対応の小型カメラをリリースします。ACW-P6100というボディカメラ仕立てのカメラです。(今回の出張にも持って来てますので、サンプル映像を撮ってみようと思います。) Wi-Fiに加え、ローカル5Gを含む各種SIMに対応、SRTなどのストリーミング映像伝送対応、最大8時間持つバッテリー対応などの特徴がある新機種ですので、使い方によっては面白い活用が出来るかもしれません。)

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B)

The Play. The Player. The Moment: AI and the New Era of Sports Storytelling

このセッションはAIがスポーツ中継にStorytellingという観点でどのぐらい介入できるか、というパネルディスカッションです。オーガナイザーはAWSから。出演者は下記の4名の方々。

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• Daniel McNeil(ダニエル・マクニール) : Utah Jazz (NBA) /デジタルアセットマネージャー
バックグラウンド: プロバスケットボールチームにおいて、膨大な映像資産やデジタルコンテンツの管理・運用を専門としている
• Ron Matthews(ロン・マシューズ) 所属: Oklahoma City Thunder (NBA) /デジタルオペレーション&コンテンツ戦略担当ディレクター
バックグラウンド: デジタルプラットフォームでのコンテンツ展開や、ファンのエンゲージメントを高めるための戦略立案・運用を統括
• Soyoung Lee(ソヨン・リー): Twelve Labs / 共同創設者 兼 Go-To-Market責任者
バックグラウンド: ビデオのマルチモーダルAI解析(映像をテキストのように理解する技術)を開発するスタートアップのリーダーとして、スポーツ分野でのAI活用を推進
• Victorien Tixier(ヴィクトリアン・ティクシエ) ScorePlay / 共同創設者 兼 CEO
バックグラウンド: スポーツチームやリーグ向けに、AIを用いたコンテンツ管理・自動配信プラットフォームを提供しており、メディア資産の効率的な活用を提唱

 

かなり期待して参加したのですが、一部、ちょっと話が噛み合っていない印象でした。

たくさんの映像からハイライトの抽出や、編集のアシストまでは「便利」だけど、その先の「試合の中継を盛り上げるクリエイティビティの部分までは、まだすべてをAIに任せるまでは介入させたくない」、という気持ちがある方が多い感じでした。 (この点は、けっこうキモの部分かも。)

パネリストのみなさんも、「AIによる省力化というメリット」と、「ファンの気持ちを高めるためのクリエイティビティまではAIの判断は届かない」という想いが交錯しているようでした。パネリストの一人の方は、「ジョブプロテクションかもしれないが」という断り書きをつけた上で、「配信の最終的な判断は、ディレクターやプロデューサーが行う必要があると考えている」というコメント。 別のパネリストは「最適な構成は、私のアメージングなチームの編集によって実現される」とか。

パネリストのみなさん、プロフェッショナル(専門家)としてのプライドをお持ちで、さらに「スポーツは種目ごとに勘所が違う」とか、気持ち的にクリエイティビティの最後の部分には、なかなかAIを受け入れがたいという部分もあったように感じられました。

一方で、ファンエンゲージメントのためのパーソナライズ化のところに、AI、特にAIエージェントを使う所にはみなさんポジティブ。「放送」とか「配信」のメインの部分と、「パーソナライズ」のように効率化を求める部分で、対応が分かれているようです。この点も理解出来ますね。

~ 後編に続く ~

 

出張先からの「書いて出し」なので、乱筆乱文はご容赦ください。

明日も、ネタを絞ってレポートをお送りします!(予定)

2026年4月21日 古瀬(ふるせ)  

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このNAB Showレポートに、ご意見・ご質問のある方は、古瀬まで直接ご連絡ください。

Mail : furuse-hiroyasu@astrodesign.co.jp

古瀬/アストロデザイン(株) 企画・マーケティング戦略部門 管掌 執行役員
LinkedIn : www.linkedin.com/in/hiroyasu-furuse-32925135

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